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店長営業日誌

飲食店を繁盛させたいなら24時間営業や深夜営業はありえないって話

ファミレス界の重鎮「ロイヤルホスト」が24時間営業を辞めるそうです。
その話題に関して興味深い記事が上がってました。

toyokeizai.net

ボクは同じ飲食業で働く人間として、この流れには大賛成です。
むしろよく今まで、やってたなって。
そりゃあ企業として顧客のニーズを捉えて売上を上げていかなきゃならないと考えた時、24時間営業というのはひとつの作戦だけどさぁ。

正直、やりたくないやん!

だって、人間は24時間働けないもん。
ほとんどの人がやりたくないって思うことを作戦にしたらあかんよね。
始めは気持ちでやれても、いつか破綻する。

今回は飲食業界の人間として24時間営業について感がてみます。

 

24時間営業はムダが多過ぎる

普通に考えて、24時間ずっとお客様で満席なんてあり得ないわけで。

食事の時間はだいたいの人が朝昼夜似たような時間帯になる。

深夜のファミレスってなんか暗いよね

ボクは昔、かなり時間的に不規則な仕事をしていて、深夜のファミレスとかちょこちょこ使ってたんだけど、満席なんてことはまずなかったです。
むしろ、半分ぐらいは使わずに締めちゃってるとか、そんな感じでした。

使う方からすると便利っちゃあ便利なんだけど、なくなっても別にたいしたことない。
深夜の食事って、食事を楽しむというよりは単に腹を満たすっていう理由がほとんどだったから。
もしなかったとしても、買い置きの分を食べればいいしね。

あるから行っちゃうってだけの話。

 

来るかどうか分からないお客様を待ち続けること程ツラいものはない

店舗側としても、深夜の予約なんてのはまず入らないから、スタッフの数はギリギリにしぼって、来るかどうか分からないお客様をひたすら待つしかない。
店を開けている限りは光熱費やら人件費やらかかるわけだから、どうせやるんだったらお客様の来店が見込める時間帯にやった方が費用対効果いいに決まってるやん。

やることない時は掃除しようってなるんだけど、いつお客様がくるか分からない状況で隅々まで完璧な掃除ってなかなか難しいし。
それならもう、昼間や夕食時の忙しい時間帯にみんなで元気に働こうや!

「24時間営業に必要な人材や光熱費にかかる投資を昼の時間帯のサービス強化にあてたほうが、お客さまのご希望に沿うことができるという店舗が多くなってきた結果です」

引用:東洋経済オンライン 

客としても積極的な来店理由がない。
店も積極的な営業ができない。
こんな状況で満足できる環境が作れるわけがないんです。

24時間営業やってると、お客様もスタッフもお互いにハッピーじゃないってこと。

 

中の人だって人間である

こういう問題の1番重要な視点って、店側のスタッフもお客様と同じ人間なんだってことなんよね。

お金を払ってるから、客の方が偉いんだ!なんて、そんなことは絶対にないんです。

仕事として、プロとして、お金を払っていただく限りは、最高のサービスと提供するっていう、対等の関係なんです。

「私たち消費者の意識改革も必要です。消費者が提供されるサービスを『タダ』『あって当たり前』と思っている限り、過剰サービス、長時間労働はなくなりません」

引用:東洋経済オンライン 

どんなすばらしいサービス人でも毎日朝から晩まで休みなく働かされれば、疲れるし余裕もなくなって、満足のいく仕事はできなくなるもんです。

適度な休息があるからこそ、最高の仕事ができる。
特にサービス業は人間そのものが商売の基本だから、体調を崩したり精神的に安定してないと間違いなくレベルが下がります。

「あの店は1日5時間しか開いてないけど、いつも元気と笑顔があって、料理もめっちゃうまいんよなぁ」っていうのが飲食店としては理想の状況なんですよ。

繁盛店の必勝パターン

繁盛している店で24時間やってるってところを聞いたことがありません。

営業時間を短くすることは結果的にはお客様の満足度を上げるからです。

時間を区切って集中して営業する

 ↓

お客様の満足度が上がる

 ↓

来店客数が増えて、入りたくても入れない人が出てくる

 ↓

来店前になるべく予約するようになる

 ↓

予約をしてくれれば、店側もしっかり準備ができる

 ↓

さらにお客様の満足度が上がる

 ↓

売上も上がる

売上が上がれば、儲かった分はお客様やスタッフに還元できます。

おいしいものが安く食べられるようになったり、いい食材が仕入れられるようになったり。
スタッフの給料が上がれば、さらにがんばって働こうと思えるし、いい人材も集まりやすくなります。

こうなれば無敵モード。

まあ、営業時間が短いから絶対に繁盛するわけではないですが、少なくとも繁盛させるための有効な作戦のひとつではあります。

 

無料のサービスなんてない

当たり前だと思っていることはどこかの誰かがやってくれているから始めて成り立っているもんなんです。

24時間営業止めるなんてやる気ないなーと思う人もいるかもしれませんが、本来あるべき姿に戻るだけ。
店員は自動販売機じゃないから。
お金払ってボタン押せば黙って仕事する、なんてことはないんです。

できるスタッフ程、お客様に満足していただくために、体調を整えて、必要なことを勉強して、営業中は常に回りに気を配っています。
その上でやっと「当たり前と思われている」サービスが成り立っているんです。
24時間無限にできるもんではないんですよ。

まあ、そういう部分を見せずに、さも当たり前のように自然と満足させるサービスができる人が最高にカッコいいんですけどねぇ。