店長として常々課題になってくるのは人材の育成。
ここ数年、ウチの店に配属されてきた若いスタッフと一緒に働いてて思うことがあります。
「もっと全力で仕事に打ち込めばめっちゃおもしろくなるのに」
別にね、サボってるわけやないんですよ。
ちゃんと時間通りに出社してくるし、やるべきこともやってる。
せっかく、自分で選んだ仕事なんだったら、考えて色々やればめっちゃおもしろくなってくるはずなのに。
ボクなんて元気と健康だけが取り柄で、根性だけを推進力にひたすらやってきた人間だから。
自分よりも理解力があって、器用にこなせて、なおかつ若さもある人間が普通に仕事こなしてるだけって、意味わかんない!
ちょっとがんばればボクなんて瞬殺で抜かれちゃうんじゃないかってポテンシャルのヤツはいっぱいいますよ!
なんかすげーもったいな気がする。
六角流人材育成スタンス
今の考え方のまま10年前に戻れたら最強やろなーって本気で思います。
でも、そんな奇跡は起きるわけないので。
その代わり、ボクの後輩にはボクが学んだり気付いたことは全部伝えてます。
すぐには理解出来ないこともあるだろうけど、伝えることに意味がある。
ボクもそうだったけど、先輩から言われたことって、その時はめんどくさいことばっかりなんだけど、いつか時がくればストンと腑に落ちる瞬間があって。
あとになってすごーく感謝させられたり、なんてことがよくあります。
だから先輩として伝えることをあきらめちゃいけない。
人を教えることって荒れ地を開墾していくようなもんなんです。
石ころと雑草だらけの土地を少しずつひたすら掃除していく。
水をまいて耕して、やっと種を植えられるようになっても始めはうまく育たない。
堆肥をまいてさらに耕して。
めちゃめちゃ時間と労力はかかるけど、それやんないときれいに花は咲かないし、おいしい実も食べれない。
ボクが今、10年かけてできたことを後輩が5年でできたら最高ですやん。
だから耕すとこまでは先輩がやってあげなあかんのです。
それからどう育っていくかは本人のがんばり次第。
添え木なしでも立てるようなったあとは、たまに水をやりつつ見守っていくしかない。
教えることは応援すること
ボクの人に対する接し方は応援団で身に付いたものです。
応援は自分のためにするものじゃない。
誰かのために全力を尽くす「利他の精神」が基本です。
それが後輩を教える時のベースにもなってます。
自分で育てれば言うこと聞くし、将来楽できるだろう、なんて見返りは考えちゃダメ。
他人のこと利用しようと考えてる人ってバレるからねぇ。
そもそもそんな人のところに誰も集まらない。
ボクが後輩に必ず言うことがあります。
ボクは自分に関わってくれた人の人生が、ボクと出会わなかった時より少しでもハッピーになってほしいと思ってる。
だから、自分がその人のためにできることがあるなら全力でやる。
出会ってしまったからには一生応援される覚悟してや。
先輩後輩という関係性はあったとしても、お互いをひとりの人間として尊重して付き合っていきたい。
いろんな人に応援してもらってここまできたから、次の誰かを応援していきたい。
そうやってつながっていく世界の方がオモロいで絶対。
最終的にはカッコいいかどうか
後輩ができてないことに文句言ってもしゃあないんす。
後輩が動かずにはいられなくなるぐらい、先輩が仕事のおもしろさに気付かせてやらないといけないんす。
これは仕事の土作り。
「仕事のやり方」より「仕事との向き合い方」をまず教える。
そして何より、あんな先輩になりたいって憧れられるぐらいカッコいい人間にならなきゃ。
見てくれだけじゃなくて、生き方も含めたすべてのカッコよさ。
同じ言葉でも憧れる人に言われた方が響くでしょ?
話す内容より話している人の方が大事。
生き方がそのまま説得力になる。
だから後輩に教えるんならそれ以上に先輩がやる。
先輩より店長がやる。
店長より社長がやる。
ウチの会社はそうやって回ってます。
ようするに、自分はまだまだってことですなぁ。