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レビュー

発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術はマジですごかった

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発達障害についての本はたくさんあるけれど、ここまで実践的に書かれた本は読んだことがありませんでした。
著者である借金玉さんは当事者でありながら今も現役の会社員営業マンとして仕事をされている方。

ボク自身、去年まで同じような状況で働いていていました。
なのですごく共感できることが多かった。
と同時に、もっと早くこの本を読んでおけば自分ももう少し会社員として活躍できただろうなーと思いました。

生きづらさを抱えながらも社会でがんばっているグレーゾーンも含めた、すべての人に役に立つ内容になっています。
特に印象に残ったところをまとめたので、読むときの参考にしてみてください。

 

発達障害でも「食える人」になる心構え

具体的な仕事のやり方について細かく書いてくれている本書ですが、最も大事な心構えが第1章に書いてありました。

「訓練してもできないことはできない」と認める。これが、社会適応の第一歩になるでしょう。

まずこれが理解できていないと、この本で語られているテクニック的なことは使いこなせない可能性が高いです。

「心を入れ替えて頑張ろう」と僕は何度誓ったか思い出せません。深刻な失敗をするたびに、自分の意思の弱さを、あるいは迂闊さを、あるいは注意欠陥を責めました。でも、そんなことは何の役にも立ちませんでした。

(中略)

悲壮な決意も固い誓いも、発達障害という問題の前ではいささかの力も持ちません。

この文章を読んだ瞬間にこの本を読んでよかったと思いました。
去年までのボクがまさに同じことを感じていたからです。

飲食店の店長をやっていた頃、自らの不注意で取り返しのつかない事件を引き起こしていました。
その度に、上司から問い詰められ、時には泣きながら謝罪し、次からの改善点を具体的に洗い出し、全力でやる気をアピール。
そして、次の日にまったく同じミスを犯す。

もはやコントです。
自分で自分が意味不明。
上司からは「もしかしてワザとやっているのか?」とあきれられても、返す言葉もありませんでした。

今でも決意や覚悟は自分にとって無意味なものだと思っています。

 

発達障害でも「食える人」に変わるには?

気持ちや注意でどうにもならない人間はどうすればいいのか。
ボクがたどり着いた答えは「自分が能力を発揮できる環境を整えること」でした。

本書でも以下のように書かれています。

抜本的に「やり方を変える」のです。そして、「やり方を変える」には「道具を変える」「環境を変える」といったやり方が最も容易であると言えます。自分はそう簡単には変わらない。だから自分以外のものを変えるのです。

自己啓発書などでは「他人は変えられない。だから、自分を変えよう!」みたいな話がよく出てきます。
でもこれって、自分で自分のことをコントロールできる人にしか当てはまらないんですよ。
そもそも自分のことが意味不明なボクみたいな人間にはレベルが高すぎる。

変えれるならとっくに変えとるわ!
それができないから苦しんでるねんって話。

発達する(変化する)ことが一般に比べてムラがありすぎるからこその発達障害。

だからこそ自分以外のものを変えた方が手っ取り早くて確実なんです。
自分に期待するのなんかとっととあきらめて、「ではどうするか」を考えた方がよっぽど建設的だし、精神衛生上も快適に生きられるはず。

 

発達障害でも「食える人」は感情ではなく行動に集中する

人間は感情の生き物だそうです。
でもボクは感情がよくわかりません。
「人の気持ちを考えろ!」と言われて生きてきました。

わからなくても社会生活を送るためには避けて通れません。
そんな無理難題に対する対応の仕方も第2章で詳しく述べられています。

この世で最もシンプルで、どの職場でも使える最強の「見えない通貨」。それは、「褒め上げ」「面子」「挨拶」の3つです。この3つを覚えれば、人間関係における9割の問題は解決すると言ってもいい。

生きているうちに悩むことなんてほとんどが人間関係が原因です。
それが解決できるだけでどれだけ楽に生きられることか。

さすがに自らの試行錯誤の末に書かれている本だけあって、解説がめちゃくちゃ具体的でわかりやすい。
第2章だけでもこの本を読む価値があるぐらい。
それほど人間関係って本当に大変。

わざわざこんなに苦労してまでやる必要あるの?
他人のご機嫌とってばかりでくだらない。

茶番だと思うかもしれません。
ボクもそう思いますし。

でも社会で生き残っていくには割り切りも必要です。

理想は、怜悧に茶番を茶番と認識しながらも、同時にその茶番に向かって全力で突撃していけるマインドセットです。世界は茶番です。無意味でくだらないクソです。でも、勝ちたかったら全力を出すしかないわけですよ。

どれだけバカらしく思えたとしても、世界がその理論で回っているなら、無視することはできません。
そんなことしたらますます社会から弾かれてしまいます。

だからこそ感情はとりあえず横において、行動のみに集中するんです。
やるべきことを淡々とやるのみ。
そこで結果さえ出してしまえば、いくらでも感情は満たされますから。

どれだけしょうもない試合展開でも勝てばうれしい。
人間なんてそんなもんです。

 

発達障害でも少しずつだけど、発達している

この本では「仕事」「人間関係」「生活習慣」「依存」「生存」という5つのカテゴリーに分けて「食える人」になるための具体的な方法が書かれています。
すぐに実践できることばかりですが、慣れるまでには時間もかかるでしょう。

とにかく何度も読み込んで無意識にできるようになるまでやり続ける。
どれだけすばらしいテクニックもやらなければ意味がないですしね。
やるかやらないか。
結局はここ。

逆説的ですけど、やれるようになれば続くんです。
そのためにもやれるところからやっていきましょうよ。

発達障害だって少しずつだけど、発達しているんですから。

ボクもまだまだこれから。
いっしょにがんばっていきましょう!

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