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大阪(田舎暮らし)

【台風21号】大阪泉佐野市の実家が被災した様子を現地レポート

2018年9月4日。
日本列島は台風21号により大きな被害を受けました。

特に西日本への被害が大きくて、ボクの地元である大阪府泉佐野市も例外ではありませんでした。
関西空港が高潮で冠水したり、連絡橋にタンカーが激突したり。
信じられないような現実は本当に衝撃でした。

ボク自身、台風当日は東京で仕事をしていたのですが、9月9日に大阪へ戻り、災害の現場を自分の目で見て回りました。
今回は台風当日から続いた母親とのやりとりと、現地での様子をまとめました。

いつどこで同じようなことが起こるかわかりません。
今後の対策のためにも記録として残します。

 

9月4日当日

前日からかなり強い台風が近畿圏を直撃するとの予報が出ていたので、朝の時点で母親に連絡を取っていました。
午前中の時点では、まだまだ余裕があったし、これほど大きな被害が出るとはまったく思っていませんでした。

しかし、時間が経つにつれ状況は悪化。
速報で関西空港が高潮で冠水したことを知りました。

母親からも14時ごろに自宅が停電したとの連絡が。
これはもう、いよいよシャレにならんことになってきていることを実感しました。

 

母親は仕事を早退して家にいるようですが、帰り道はあらゆるものが暴風で飛びまくる異常な光景だったそうです。
夕方には自宅に続く道で土砂崩れが起こり、道が塞がれて、父親は台風が過ぎるまで家に帰れませんでした。

 

ボクもこの時は状況がまったくわからず「停電って言っても夕方ぐらいには回復するやろ」と軽く考えていました。
とりあえず、家で1人取り残されている母親を励ましつつ、状況を見守ることにしました。

 

9月5日(台風から2日目)

台風一過で天気は回復。
しかし、いろんなニュースから状況は考えている以上にひどいことがわかってきました。

自宅はいまだ停電中。
停電の影響で電波塔が停止したのか、携帯の電波も通じなくなったようです。
幸い、自宅の被害は瓦が飛んだ程度で済んで、一安心。

 

泉佐野市の隣の泉南市でも被害が出ていました。
この写真に写っている道はボクが学生の頃アルバイトに通うために使っていた道。
見慣れた景色が変わり果てるというのは予想以上にショックが大きかったです。

 

9月6日(台風から3日目)

未明に北海道で地震が起こりました。
テレビなどの大手メディアなどはほとんどが北海道のニュースにシフト。

台風の状況は家族とのやりとりとTwitterなどのWEBが中心に。
知りたい情報がなかなか得られず、焦りを感じ始めました。

 

9月7日(台風から4日目)

もともと大阪に帰るように関西空港行きの飛行機チケットを取っていました。
が、6日の時点で欠航が決まり、キャンセルすることに。
ANAなどが使用している第1滑走路はいつ再開されるか検討もつかないそう。

 

9月8日(台風から5日目)

状況変わらず自宅は停電のまま。
東京の仕事を片付けて、9日朝に新幹線で大阪に帰ることにしました。

 

9月9日(台風から6日目)

午前「泉佐野市到着」

関西空港行きの連絡橋はまだ使えません。
シャトルバスのみ運行。

自宅の最寄りは手前の日根野駅なので電車は問題ありませんでした。
電車に揺られながら外の景色を見ていると、ブルーシートで屋根を覆っている家や、曲がった看板がかなり目立ちました。

 

駅前の商店の中にはガラスが割れるなどの被害が出ていました。

 

高い位置にある看板もやられていました。
当日、いかに強い風が吹いていたかがわかります。

 

昼「地元集落入り」

自宅へ向かう道は住人以外通行止が続いていました。
和歌山へ抜ける道が倒木が多く、まだ復旧できていないそうです。

自宅の方は問題なかったので、地域の集会場に行きました。
地元の関係者の方々が今後の対応について会議中。
ボクもできるだけの協力をすることを約束しました。

 

9日昼の時点では電気の復旧もまだ。
信号も消えたままです。
携帯の電波も不安定な状況。
念のため持ってきたポケットWi-Fiも役に立ちませんでした。

 

収穫を間近に控えた稲も風で倒されていました。
早めに刈り取らないといけないのですが、台風明けからまた雨が続いているため、作業に入れていません。

 

午後「市役所へ罹災届けを提出」

被害を報告するため、市役所へ向かいました。
日曜日ということもあってか、並んでいる人は少なめ。
数日前は市役所の外まで長蛇の列になっていたそうです。

市役所の職員の方々が総出で対応してくれていますが、中には強めの言葉で詰め寄っている方もいました。
時間が経つにつれ、余裕がなくなってきているのかもしれません。
気持ちはわかる、けど、やれることを落ち着いて対応していくしかない。

 

午後「市内周り」

市役所まで来たついてで、市内をぐるっと車で回りました。
上の交差点の写真、ちょっと違和感ありませんか?

実は正面の信号は本来こちら向きのものでした。
台風の影響で右向きになってしまっています。

 

電線に飛ばされて来たものが引っかかっている場所も多かったです。
また台風が来たら、断線の原因になりかねません。

 

山際の道では倒木も目立ちました。
この道は普通車はギリギリ通れるので、大型車のみ通行止。
それでも、下を通るのはなかなかに怖かったです。

 

1番目立ったのが、ビニールハウスの倒壊。
泉州名産である水ナスなどが大きな被害を受けたそうです。

ボクの自宅のある山間部より、市街地などの平地の方が風の被害を受けているようでした。

と、その時、電気が復活するとの連絡が。
いよいよ!

 

夜「スーパーで買い物」

電気が復活したらしいという情報を得たのでスーパーで買い物をして帰ることにしました。
電気があれば冷蔵庫も使えるはずなので。
しかし、野菜などの生鮮食品を中心に商品がない棚が目立ちます。

 

肉コーナーもこの通り。
配送センターが被害を受けて、物流がストップしてしまっているとのことでした。

少しずつ回復しているとはいえ、普段通りの生活に戻るには時間がかかりそうです。

 

夜「電気復活」

台風から6日目にしてようやく電気が復活しました。
合わせて、携帯の電波も安定。

まだまだやることはいっぱいあるけれど、まずは第1歩。
電気のありがたみを感じまくりました。

このあと、久しぶりに自宅の風呂に入り、やっとのことで普通に布団で寝られるようになったのでした。

 

ちなみに、停電の時に撮影した映像がこちら。
自宅の庭の様子です。
電気がつかない上に、雨で星の光もありません。
かろうじて肉眼では見えたのですが、iPhoneカメラでは何も映りませんでした。

こんな状況は1週間近く続けば、そらストレスもたまるし、不安にもなるよなぁ。

 

台風21号現地レポートまとめ

今回の台風を体験を通して感じたこと。

  • いつどこで自分が災害に巻き込まれて被災者になるかわからない。
  • どれだけ準備していても、予想外のことは起こる。準備しすぎてやりすぎなことはない。
  • 電気は超重要。予備バッテリーや発電設備は必須アイテム。
  • 山間部では携帯の電波が不安定になりやすい。携帯に頼りすぎると詰む。
  • 正確な情報をどれだけ早く得られるかがカギ。知らないと支援を受けられなかったり、損することも多い。災害時の情報格差はヤバイ。
  • しんどい時こそ娯楽は必要。笑っていないと気が滅入ってくる。
  • 手回し式ラジオ最強。いつでもどこでも電気がなくても使える。あと、やれることがなくて落ち込みそうな時は、手回し充電をしていると気が紛れる。
  • みんな自分のことで精一杯で余裕がなくなってくる。そこからがけっこうしんどい。

 

当たり前は当たり前じゃない。
そんな当たり前のことに気づかされました。

自分にできること。
これからやらないといけないこと。

もう1度よく考えてみます。